浮気で離婚する場合の手続き
浮気で離婚する方法は以下の4パターンです。
- 協議離婚
- 調停
- 審判
- 裁判
浮気(不倫)があったからといって、離婚の手続きが大きく変わることはありません。
ただし、不貞行為の証拠を押さえている場合は、相手方が離婚を拒否していても強制的に離婚することが可能です。
それぞれの手続き内容とメリット・デメリットをまとめました。
協議離婚
協議離婚は双方の話し合いで解決する離婚です。
離婚手続きは原則として双方が合意して離婚届に署名・捺印すれば認められます。
協議離婚する場合、慰謝料・養育費・財産分与などの詳細も協議によって自由に決めることができます。
過去の判例に基づいた内容で決めることも可能ですし、相場よりも多くの慰謝料を請求することも可能です。
また、協議離婚は明確な証拠がなくても、相手が浮気を認めて支払いに同意すれば慰謝料を得ることができます。
浮気が原因で協議離婚を目指す場合、長期戦になると相手方が悪知恵を付けて当初は合意していた条件を渋り出すケースが多く見られます。
有利な条件で話が進んでいる場合は、早期の離婚成立を目指しましょう。慰謝料や養育費などの取り決めは公正証書にしておくとよいです。
一方で浮気した配偶者の顔も見たくない・とにかく早く離婚したいといった理由から被害者に不利な条件で離婚を認めてしまうケースも多く見られます。
浮気した証拠があったとしても、一度離婚成立すると後から条件変更するのが困難です。
浮気で離婚する場合は後悔しないように専門家へ相談するか、ネット上から慰謝料・養育費の相場を調べて慎重に行動してください。
調停
調停は家庭裁判所で調停委員同席の元で行われる話し合いです。
調停をする場合は家庭裁判所に申し立てる必要があり、離婚調停の場合にかかる費用は印紙代・切手代・戸籍謄本取得費用等で2,500円程度になります。
調停委員の発言に強制力はありませんが、中立な立場である人間を交えて話し合いをすることで解決できることも多く、協議離婚できない場合にもっともおすすめできる離婚方法です。
話し合いの中では調停委員から「不倫した証拠があるのだから、裁判になってもあなたが不利。それなら裁判の弁護士費用を削減するためにも、相場である相手方の主張で同意した方がいい」などの助言で同意に至るケースが多いです。
調停に同意すると調停調書が発行され、法的強制力によって離婚・慰謝料請求等が認められます。
双方の合意が必須条件になるため、調停でも解決できない場合は審判か裁判へ進むことになります。
審判
審判は原則として調停不成立に終わり、一方の主張に正当性が一切認められない場合もしくは大筋は合意している場合に選択できる離婚方法です。
裁判とは違ってお互いが言い分を主張することはできず、調停での記録を元に裁判長が離婚条件を決定します。
基本的に調停が不成立になり、調停委員から審判による解決を打診された場合に検討する方法であることを覚えておきましょう。
裁判
裁判では基本的に弁護士を立てて双方が主張や相手方への尋問をし、その内容を元に裁判長が決定を下します。
制度上は弁護士なしで裁判をすることもできますが、裁判は主張の内容によって条件の変わる要素が大きいため、弁護士を立てる方法が一般的です。
基本的に調停不成立で双方の主張が大きく食い違っている場合に離婚裁判へ発展しますが、協議や調停をせずに最初から裁判を起こすこともできます。
相手方と直接話をしたくない場合や、協議・調停しても折り合いが付く可能性が極めて低い場合は、直接の裁判も検討してみてください。
デメリットは高額な弁護士費用がかかること。相手の浮気による離婚は調停・審判でも裁判と同等の条件で離婚できるケースが多いです。
裁判か調停にするか迷っている場合は、まずは調停から始めてみるとよいでしょう。
なお、審判と裁判については、相手方が浮気した法的証拠がないと慰謝料請求を認められません。
証拠がなく主張に正当性がない場合は、浮気被害者でも裁判をすることで不利な離婚条件になってしまうケースもあります。
離婚届の提出
離婚は必ず離婚届を提出しないといけません。
必要な書類は以下の通りです。
- 協議離婚
⇒双方が署名捺印した離婚届
- 調停離婚
⇒離婚届+調停調書(正本・謄本)+戸籍謄本
- 審判離婚
⇒離婚届+審判書謄本+審判確定証明書+戸籍謄本
- 裁判離婚
⇒離婚届+判決書の謄本・確定証明書+戸籍謄本
協議離婚以外は確定した日から10日以内に申立人が離婚届を提出するルールがあるので注意してください。
相手方が離婚不受理届を提出していた場合でも、調停・審判・裁判の書類があれば、離婚不受理届の取り下げをされていなくても離婚届が受理されます。